連載9回目:電気の世界で輝く女性(電気新聞2018年4月18日掲載)

 電験の世界も女性の進出が目覚ましい。34年前の学院発足時には女性の入学はなかったが、近頃は毎年、数人は入って来る。
 英文科卒業の女性、第2種電気工事士は持っていたが電験を取りたいと挑戦。力は付いたが試験日はあがってしまい、理論を落とすことが続いた後90点での合格。講師も同期生もみんな喜んだ。エネルギー管理士も取り、ビル管理会社に就職。男性と同じ仕事を任され、PASやVCBの交換など受変電設備の更新工事で夜中の立ち合いをすることもあったが、今は設備管理担当となり夜中の仕事はなくなった。そろそろ電気主任技術者外部委託の申請をしたいという。ますます見えない電気に魅了されているそうである。
 美大出身の女性、もちろん電気の知識は全く無し。「力を付けたいのでじっくり取り組みます」と3年かけて合格。前の会社から派遣されていた電気施工会社に昨年引き抜かれ、今はCADで電気の施工図を描く仕事を担う。将来は現場に出て、積算もできるようになるのが願いだ。
 物理系の大学卒業者もいる。ある研究所勤務の女性、「2種から入ろうと思う」と来たが「学院で学ぶのであれば基礎からをおすすめします」というアドバイスを素直に受け入れた。「3種の予科から始めて良かったです。基礎的なことをシンプルに深く体系的に身に付けることができました」と言い3種、2種と合格。その後、博士論文で忙しくなり1種には進まなかったが、博士号をめでたく取得、今も研究者としてばりばり活躍している。
 やはり物理出身の女性、分電盤周りの製品開発の仕事がきっかけで学院に入学し、3種とエネルギー管理士に合格。現在はパワーコンディショナーの開発関連業務を担当し、部品選定、回路図作成、基板設計と評価を任されている。「原理や現象から考え、対策の比較や特徴も考えないと良い仕事はできない。電気を基礎から体系的に学んだことが役立っています」と言う。夫との夕食時の話題は高等数学に及ぶこともあり、先日はラプラス変換だったそうである。
 日本の政府開発援助を通じて、中南米諸国で地熱発電を何年も支援してきた女性もいる。日本は地熱資源が豊富で地熱発電に関する高い技術力もあるのに、なぜ導入量をもっと増やさないのかと外国から不思議がられるという。「腐食に強い地熱発電用のタービンの製造や地下の地熱資源の探査や評価など、世界トップレベルの技術力を誇るメーカーやエンジニアリング会社が日本にはあるのに、足元の国内で地熱開発がなかなか進まない」と彼女は残念がる。今は帰国して環境エネルギー分野で国の委託業務や企業のコンサルティングを行うシンクタンクで働き「学院で学んだ電気の基礎が大いに役立っています」と話す。
 こうやって一人ずつ挙げていけば切りがない程、学院に入学する女性は増えている。臨月のおなかを抱えて試験日までがんばった人、管理技術者の父親の跡を継ぎたいと子育てをしながら通学した人、農学部出身だが3種とエネルギー管理士に合格後2種を目指している人、学院で学んだ先輩の話からヤル気が湧いて3種を取得、転職して深夜から明け方までの勤務や泊まり勤務もある仕事が楽しいという人、青年海外協力隊でアフリカのマラウイ共和国に行った人など、たくさんのOGに加え、今年も5人の女性が学んでいる。
 学院に来る女性に一様に共通するのはコツコツ型で真面目、熱心なことである。「やると決めたらヤル!」という気概が自然に伝わってくる。これから大いに期待できる存在と思っている。
(つづく)

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